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70年代ロックとTシャツとわたし/高橋 龍

第4回 1970年代のバンドTシャツと今のそれとのちょっとした相違点

 映画『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒットを飛ばしました。伝説のロックバンド「クイーン」のリードボーカル、フレディ・マーキュリーの生きざまを描いたこの映画、ご覧になった方も多いのではないでしょうか(フレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックはアカデミー賞主演男優賞を受賞)。「クイーン」の4人が活躍した1970年代は、「西欧至上主義」「消費文明」というマスの思考に対抗する、カウンターカルチャーとしての音楽が盛んに生み出された頃。今なお語り継がれるロックバンドやパンクバンドも多く誕生しました。今回は、そんな70年代ロックバンドがつくったバンドTシャツに焦点を当てて、その魅力をご紹介しましょう。

 そもそもバンドTシャツは、ライブや音楽フェスティバルに行った記念に買うことが多いですが、ファンにとっては「自分はこのバンドが好きなのだ!」とアピールする手段であるとも言えます。海外を旅行中、世界的なバンドのTシャツを着てバルにでも入ればきっと、「君もこのバンドが好きなの?」と声をかけられるでしょう。それがヴィンテージものならなおさらです。当サイトで紹介している70年代に活躍したバンドのTシャツは、欧米にもコレクターが大勢いて、1枚1万円から高いものだと4万円程度で売買されていたりもします。逆に言えば、大切に着ていればまた売れる、他のファンに譲ることができる、ということ。今らしいエシカルな服の着方……と言えなくもないでしょうか?

 さて、バンドTシャツのデザインは大きく3つに分けられます。1つ目は、そのバンドの名前のロゴがプリントされているもの。2つ目は、アルバムなどのジャケットのイラストや写真などがプリントされているもの。そして3つ目は、バンドメンバーの顔写真がプリントされているもの(フォトTシャツ)です。70年代のバンドTシャツには、良いフォトTシャツが多いですね。最近は、肖像権やメンバーが脱退する可能性を考えてか、あまりつくられなくなったようで少し残念です。70年代のバンドTシャツのもうひとつの特徴は、サイズが小さめなものが多いこと。その頃のロックミュージシャンたちは、コンパクトなトップスにスリムなパンツ、足元はボリュームのある靴で決めるのがお約束。あえて体のラインが出る服を着ることも、自らのとがった反抗心をむき出しにしているようで、ロックの精神に通じているように感じます。小柄な日本人女性でもジャストサイズで着られるものがあると思うので、ぜひ探してみてください。

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バンドTシャツをキュートな女の子が着たときの破壊力って半端ない。そんな彼女を連れ添ってニッチなバンドのライブに行くのは男たちの夢なのである。

[70年代ロック]Tシャツコレクション

ハイブランドのコレクションでも取り入れられるようになったバンドTシャツ。70年代ロックバンドのヴィンテージを着れば、自然と肩で風切って歩いちゃうかも?

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Pink Floyd
イングランド出身のロックバンドで、プログレッシブ・ロックの先駆者。アルバム『狂気』は、全米チャートに741週連続ランクイン。豚は、アルバム『アニマル』で空を飛ぶ豚の写真をジャケットに使用して以来、彼らのアイコンに。

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KISS
アメリカ出身のロックバンド。白塗りの化粧に奇抜な衣装、パイロテクニクスを活用した炎のド派手なステージ演出が有名。このTシャツは、1982年に発売された10枚目のアルバム『CREATURES OF THE NIGHT』関連のもの。

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The Rolling Stones
結成から半世紀以上経った今でも不動の人気を誇る世界的ロックバンド。イギリス出身。ベロのマークが有名だが、それがメインでプリントされていないTシャツも数多く存在。上は1981年の、下は1975年のアメリカツアーのTシャツ。

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The Doors
知的で哲学的な詩と、ブルースを基盤とした独自のサウンドで人々の心をつかんだアメリカ出身のロックバンド。端正な顔立ちと過激な振る舞いで注目の的だったカリスマ的ボーカリスト、ジム・モリソンが、同バンドの人気を押し上げた。

ヴィンテージTシャツの豆知識 vol.4

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ヴィンテージTの楽しみ方は着るだけではない!
お気に入りのデザインのヴィンテージTシャツは、部屋に飾って楽しむのもオツ。お手軽にハンガーにつるしてみるのもよし、特別なものは額に入れて飾れば、あなただけのオシャレなインテリアに大変身。

解説_高橋 龍
たかはし・りゅう/映画、音楽、アートのヴィンテージTと90sカルチャーを感じさせる古着を専門に扱う「anytee」のオーナー。
instagram : anyteeshop

イラスト_Mizmaru Kawahara

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※本記事は、『ヘアモード』2019年5月号で掲載した記事を転載しました。

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